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ギヤシャフトの加工方法から長寿命化のポイントまで

2024/07/26

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ギヤシャフトの加工方法から長寿命化のポイントまで

ギヤシャフトとは?

ギヤシャフトは、シャフト(軸)にギア(歯車)形状を付加した機械部品です。歯車の刃が切ってあるため、歯切りシャフトとも呼ばれます。ギヤシャフトは、動力の伝達や回転運動の変換に使用されます。またギヤシャフトの精度や強度は、機械全体の性能や寿命に大きな影響を与えるため、非常に重要な要素となっています。

ギヤシャフトとスプラインシャフトの違いとは?

ギヤシャフトと似たものに、スプラインシャフトがあります。ギヤシャフトも、スプラインシャフトも、どちらもトルク伝達が目的の製品で、シャフト外周にギヤ形状のスプライン溝が彫られています。

しかし違いとして、ギヤシャフトは1度に1つの刃が噛み合ってトルク伝達をするため、異なる刃数のギヤにトルク伝達をすることができるのに対して、スプラインシャフトはすべての溝を同時にかみ合わせて使用するためトルクの増減をすることができません。

ギヤシャフトの用途とは?

ギヤシャフトには様々な種類がありますが、下記のような用途で使用されています。

・自動車

・産業機器

・ロボット 等

このように回転機構がある要素部品として、ギヤシャフトは幅広く用いられています。

ギヤシャフトの加工方法

ギヤシャフトの加工方法は複数の工程から成り立っています。

・材料切断・旋盤加工
・マシニング加工・歯切加工
・歯研加工・焼入れ

まずは材料を切断してから、外形を製作するために旋盤にて外周の加工を行います。その後マシニング加工にてキー溝等の部分的な加工を行い、ギヤ部分を歯切加工を行います。ギヤ形状の加工をする際はモジュールや諸元に合わせて適切な加工をする必要があります。そして強度や硬度を高めるために焼入れを行い、最後に歯研加工を行って精度を高めています。

ギヤシャフトの寿命を向上させるポイント

ギヤシャフトの寿命を向上させるためには、以下のポイントが重要です。

適切な材料選定:使用する材料の選定は、ギヤ部分の耐久性や耐摩耗性、強度に大きく影響します。適切な材料を選定することで、刃の欠け防止につなげることができます。例えば、高強度合金や耐摩耗性に優れた素材を使用することが一般的です。また、材料の均質性や不純物の少ないものを選ぶことで、ギヤの寿命をさらに延ばすことができます。

当社は、ある程度の硬度を保ったうえで靭性を高めることによって、欠けにくく、摩耗もしにくい長寿命な製品を実現することができます。

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高精度な歯切加工・歯研加工:ギヤ形状部分の精度が高ければ高いほど、摩耗や破損を防ぐことができます。当社では協力会社のネットワークも活用しながら、高精度なギヤシャフトの製造を行っております。

適切な熱処理:ギヤシャフトの寿命を向上させるには材質や求める硬度などに合わせて最適な熱処理を行うことが重要です。当社では材料選定から加工、熱処理までを一括で対応することが可能で、現状の課題や予測されるトラブルに応じて最適な長寿命化の提案を行っています。

加工事例

ハスバ歯車付シャフト

材質:S45C

サイズ:Φ90×305

精度:旋盤、マシニング(キー溝)、歯切、高周波焼入れ、歯研

こちらはハスバ歯車付シャフトです。サイズはΦ90×305mmで、材質はS45Cを使用しております。加工工程としては、まず旋盤加工を行い形状を作った後、マシニング加工でキー溝を加工いたしました。その後、歯切・高周波焼入れ・歯研を協力企業様と連携して対応することによって本製品を製造いたしました。

歯切以降の加工(歯切、歯研、高周波焼入れ)は、弊社のネットワークを活かして選定した2社の外注先にて実施しております。お客様の要求に応じて、職人さんとの細やかなすり合わせを行い、最適な工具を用いた対応を確保しています。弊社のネットワークを活かした協力会社様の選定が、今回の事例のポイントでした。

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まとめ

ローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビは、丸物加工品を専門とし、耐摩耗性や高強度が求められる製品の長寿命化と機能向上を実現する技術提案に自信を持っています。当社の金属コーディネーターが丁寧なヒアリングを行い、焼入れや表面処理の最適な選定を行うだけでなく、形状変更や機構改善などの斬新な提案も行い、お客様にとって最適な解決策を提供します。

対応可能な製品は、直径φ5の小さいピンからφ100のピンまで、長さも様々な丸物製品に対応しております。特にΦ300~600までの、馬力がない旋盤では削ることができないような、クレーンを用いて機械にセットする必要がある、やや取り回しがしづらいような中型丸物部品について、多くのお客様からご相談をいただいております。協力会社の加工ネットワークも駆使することで、最大φ900までの比較的大径な丸物加工まで対応可能です。

このように、ローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビは多様なニーズに応える高い技術力と柔軟な対応力を持ち、お客様の製品開発を強力に支援します。丸物加工品の製造において、耐久性や精度を求めるなら、ぜひローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビにお任せください。お客様のご相談をお待ちしておりますので、どうぞお気軽にお声がけください。

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