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旋盤加工で作られている丸物部品の特徴
2024/06/17
- 丸物部品
- 加工
金属加工には、機械加工・塑性加工・鋳造・その他(粉末治金・金属3D プリンター)の4つに大きく分けられます。この4つの種類からも分かれており、機械加工には切削加工と研削加工の他に特殊加工の3つの加工方法があります。
その中の切削加工の代表的なものとして以下の二つが挙げられます。
①「旋盤加工」:材料を回転させながら切削工具を材料に接触させることで、円筒形の部品や回転体を作成する加工法です。
②「フライス加工」:切削工具を回転させながら材料に対して直線的にまたは旋回させながら切削する加工法です。
本コラムでは、「旋盤加工」の意味から、旋盤加工から作られる丸物部品の特徴までを説明いたします。
目次
旋盤加工ってなに?
旋盤加工は、円筒形の材料を回転させ、切削や穴あけ、切断などの加工を行う方法です。
この加工法を使って作られる製品は、主に丸物が多く、シャフトやノズル、ボルト、コネクタなどの部品が具体例として挙げられます。
工作物の外周を円形や先細形状にしたり、中心に穴を開けたりすることや溝を掘り進めて切断することも可能です。この加工法は寸法精度が高く、切削条件を調整できるため、様々な部品や製品に適用されます。
旋盤加工の特徴
旋盤加工には主に3つの特徴があります。
まず、加工対象の素材が豊富であることです。プラスチックから金属まで、多様な素材に対応しており、用途に応じた最適な素材を選定することができます。
次に、高い加工精度が挙げられます。旋盤加工は0.001mm単位での高精度な加工が可能で、寸法精度や面粗度の調整も行えます。
また、卓上におけるサイズの小さな機械もあるため、わずかな場所でも設置が可能です。正面旋盤を使えば、大型の製品でも問題ありません。
最後に、小ロットの短納期製作に強いことです。金型などの準備が不要なため、状況によっては当日に加工を開始することが可能で、比較的短い納期で製作が完了します。量産に比べると単価は高くなりますが、1個からの加工が可能で、仕様変更が頻繁に必要な試作段階にも適しています。
旋盤加工で作られる製品はどんなもの?
旋盤加工は、高い精度の部品を製造するために不可欠な技術です。旋盤加工で作られる丸物部品は自動車部品や産業用機械装置部品などといったものが多く、これらの丸物部品は、消耗が激しく、なるべく交換をせずに長く使用したいというニーズが強い一方で、精度は高くなければいけないという、要求仕様も多い製品であることが多いです。
旋盤加工の丸物加工品の一例としてシャフト・ピストン・Vプーリーの3つを紹介します。
シャフト:動力伝達用の回転部品で、主に軸の役割を果たします。この棒状の部品は、船舶や自動車などさまざまな機械に使用され、動力を効率的に伝えるために非常に高い精度と品質が求められます。
ピストン:シリンダー内で上下運動を行う円筒形の部品で、主な役割は燃焼室内のガソリンを圧縮し、燃焼ガスを生成することです。このプロセスでは、ピストンは爆発による熱や高圧の燃焼ガスに耐える必要があります。そのため、一般的には耐久性の高いアルミ合金などの頑丈な金属で作られます。
Vプーリー:電動機からVベルトを介して回転軸に動力を伝える部品です。しかし、VプーリーとVベルトは双方の摩擦抵抗によって動力を伝達するため、長期間の使用によって磨耗が生じます。プーリーは円盤状の部品であり、ベルトと共に使用されます。動力伝達機構には歯車などの他の部品もありますが、VプーリーとVベルトの間に滑りがあるため、トラブルが発生してもその影響をある程度吸収できる点が特徴的です。
これらの丸物加工品は、旋盤加工技術によって高い精度で製造され、様々な産業で重要な役割を果たしています。
丸物部品をより長く使用するためには?
旋盤加工で製造される丸物部品をより長く使用するためには、高強度・高硬度を実現する焼入れや表面処理が不可欠です。例えば、焼入れ処理は部品の表面硬度を向上させ、摩耗を防ぎ、長期間使用できるようにします。また、特殊なコーティングや表面処理は耐久性をさらに高め、製品の信頼性を向上させます。
ローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビは、丸物加工品を専門とし、耐摩耗性や高強度が求められる製品の長寿命化と機能向上を実現する技術提案に自信を持っています。当社の金属コーディネーターが丁寧なヒアリングを行い、焼入れや表面処理の最適な選定を行うだけでなく、形状変更や機構改善などの斬新な提案も行い、お客様にとって最適な解決策を提供します。
自社の旋盤加工での加工事例
製品名:マルチウェッジVプーリー
材質:S45C
サイズ:Φ203×95.4
精度:Φ85(+0.035〜0)
こちらは設備用のマルチウェッジVプーリーです。サイズはΦ203×95.4mmで、材質はS45Cを使用しております。加工工程としては、旋盤加工、高周波焼入れ、旋盤仕上げ、キー加工を行っています。
本製品は、耐久性と靱性を向上させるために、材料を調質してから加工を行いました。高周波焼入れにより、さらに耐久性を高めています。また焼入れ後に旋盤で仕上げ加工を行っており…
製品名:ハスバ歯車付シャフト
材質:S45C
サイズ:Φ90×305
精度:0~-0.03
こちらは工業用設備で使用されるギヤシャフトです。サイズはΦ90×305mmで、材料はS45C材を使用しております。加工工程としては、まず旋盤加工を行い形状を作った後、マシニング加工でキー溝を加工いたしました。その後、歯切・高周波焼き入れ・歯研を協力企業様と連携して対応することによって…
サービスの提供の流れ
ローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビでは、丸物加工品を中心に高精度かつ迅速なサービスを提供しています。ご依頼の際は、お問い合わせフォームまたはメールにて図面やCADデータをお送りください。図面がない場合は、製品の写真や手書きのスケッチでも対応可能です。製品の納期、数量、材料、作業条件などの詳細をお知らせいただければ、最短でお見積もりを提出いたします。営業時間内であれば、当日内に加工可否の連絡も可能です。
技術相談や工場見学、現地訪問やオンライン打ち合わせを通じて、お客様の課題やご要望を丁寧にヒアリングし、最適な提案をいたします。長寿命化や強度向上、耐摩耗性向上を実現するためのVA/VE提案も行っています。お見積もりにご同意いただければ、注文書をメールまたはFAXにて送付ください。当社は旋盤・マシニングによる加工から、溶接、焼入れ、表面処理、仕上げ研磨、追加工まで一貫して対応し、工程管理も全て行います。高精度測定器を用いた品質保証を行い、高品質な部品をお届けします。納品は宅急便やバイク便などお客様のご都合に合わせて対応いたします。
まずは、お問い合わせください!!
旋盤加工ならローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビにお任せを
ローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビは、丸物加工品を専門とし、耐摩耗性や高強度が求められる製品の長寿命化と機能向上を実現する技術提案に自信を持っています。当社の金属コーディネーターが丁寧なヒアリングを行い、焼入れや表面処理の最適な選定を行うだけでなく、形状変更や機構改善などの斬新な提案も行い、お客様にとって最適な解決策を提供します。
対応可能な製品は、直径φ5からφ100までの丸物製品で、特にφ300〜600の中型丸物部品に強みがあります。また、協力会社の加工ネットワークを駆使することで、直径φ900までの大径な丸物加工にも対応可能です。さらに、Vプーリーやギヤシャフト、キー溝加工など、さまざまな形状に対応し、角物加工や溶接組立も行います。これにより、お客様の製品管理工数を削減する部品調達代行も提供しています。
ローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビのもう一つの強みは、特急対応が可能なことです。急な加工依頼にも迅速に対応し、お客様のプロジェクトの進行をサポートします。
このように、ローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビは多様なニーズに応える高い技術力と柔軟な対応力を持ち、お客様の製品開発を強力に支援します。丸物加工品の製造において、耐久性や精度を求めるなら、ぜひローラー・シャフト旋盤加工 長寿命化ナビにお任せください。お客様のご相談をお待ちしておりますので、どうぞお気軽にお声がけください。
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