お役立ち情報
「S45C+高周波焼入れ」で摩耗が止まらない理由とは?SCM材・調質・浸炭を含めた選び方を解説!
2026/08/13
- 材質
- シャフト
- 長寿命化
- 表面処理
「S45C+高周波焼入れ」で摩耗が止まらない理由を、SCM材・調質・浸炭焼入れとの比較から解説。硬度・硬化層深さ・軸径の質量効果を数値で整理し、4つの仕様の選び分け方と、平野鉄工の材質変更による長寿命化事例をご紹介します。
ローラーやシャフトが摩耗したとき、まず検討されるのが「S45Cに高周波焼入れを入れる」という選択です。表面をHRC50前後まで硬くできて、コストも抑えられる。合理的な判断に見えます。ところが平野鉄工にご相談いただく案件では、この仕様に切り替えたのに摩耗が止まらない、あるいは別のトラブルが出た、というケースが少なくありません。この記事では、S45C/SCM材/SCM+高周波焼入れ/SCM+浸炭焼入れという4つの仕様を、表面硬度・硬化層深さ・芯部の靭性・軸径という4つの軸で比べます。そのうえで、当社が「S45C+高周波焼入れ」を第一候補にしない理由と、実際にどう変更してどうなったかを、実績とともにお伝えします。
目次
- 1 S45C/SCM/SCM+高周波焼入れ/SCM+浸炭焼入れ――4つの仕様の違い
- 2 まず材質から。S45CとSCM材は何が違うのか
- 3 熱処理の違い。調質・高周波焼入れ・浸炭焼入れは何を変えているのか
- 4 「SCM+浸炭」と「SCM+高周波」では、そもそも鋼種が違います
- 5 当社が「S45C+高周波焼入れ」を第一候補にしない3つの理由
- 6 4つの仕様を選び分ける、3つの判断軸
- 7 熱処理を入れると、加工でできなくなること
- 8 コストをどう見るか
- 9 平野鉄工が、材質選定の段階から逆提案できる理由
- 10 材質・熱処理の変更でご提案した実績
- 11 ローラー・シャフトの材質選定は、平野鉄工へご相談ください
- 12 よくある質問
- 13 参考資料
S45C/SCM/SCM+高周波焼入れ/SCM+浸炭焼入れ――4つの仕様の違い
【定義】 4つの仕様とは、母材となる鋼種と、そこに施す熱処理を組み合わせた指定のことを指します。
材質だけ、あるいは熱処理だけを見て決めると、狙った寿命に届かないことがあります。平野鉄工では、ご相談をいただいた最初の段階で、必ずこの2つをセットで確認しています。
4つの仕様を1枚の表で比べる
比較のため、話題の中心である「S45C+高周波焼入れ」も並べます。
| 項目 | S45C(調質) | S45C+高周波焼入れ | SCM435/440(調質) | SCM435/440+高周波焼入れ | SCM415/420+浸炭焼入れ |
|---|---|---|---|---|---|
| 炭素量 | 0.42〜0.48% | 0.42〜0.48% | 0.33〜0.43% | 0.33〜0.43% | 0.13〜0.23% |
| 表面硬度 | HV220〜280(HRC16〜27相当) | HRC50〜60(水冷)/43〜53(油冷) | 285〜341HBW | HRC55〜65(水冷)/50〜58(油冷) | HRC60〜62 |
| 芯部硬度 | 表面と同等 | 調質または生材のまま | 表面と同等 | 調質のまま | HRC30〜40 |
| 硬化層深さ | なし(全体が同一組織) | 1.0〜2.0mm | なし(全体が同一組織) | 1.0〜2.0mm | 有効硬化層0.3〜1.2mm(550HV基準) |
| 引張強さ(調質後) | 約690MPa | 約690MPa(芯部) | 約980MPa | 約980MPa(芯部) | ― |
| 適した軸径 | Φ20以下 | Φ40以下 | Φ20超〜Φ80超まで | Φ20超〜Φ80超まで | 形状による |
出典:JIS G 4051、JIS G 4053、焼入れ・熱処理研究所.com、山崎化学エイチ・テイ、金属データブック《たすいち》、株式会社エース
意外に感じられる箇所が2つあると思います。1つは、硬化層の深さが高周波焼入れのほうが深いこと。もう1つは、浸炭焼入れに使う鋼種の炭素量が、他と比べて極端に低いことです。この2点が、後半でお伝えする選定の要になります。
なお、ここに挙げた硬度と硬化層深さは、いずれも一般的な処理条件での目安です。実際の値は形状・肉厚・冷却方法によって変わりますので、図面段階では幅を持って考えていただくのが安全です。
「材質」と「熱処理」は、別々に決めるものではありません
図面に「SCM440」と書き、備考欄に「浸炭焼入れ」と書く。この組み合わせは成立しません。浸炭焼入れは、炭素の少ない鋼に炭素を染み込ませる処理だからです。炭素を0.38〜0.43%含むSCM440に浸炭をかけても、狙った効果は得られません。
当社では、材質のご指定をいただいた段階で熱処理の指示まで確認し、組み合わせとして成立しているかを見ています。加工に入ってから気づくと、材料の手配からやり直しになるためです。
[内部リンク]>>S45Cの特徴と加工方法とは?
[内部リンク]>>SCM材(クロムモリブデン鋼鋼材)の特徴と加工方法とは?
まず材質から。S45CとSCM材は何が違うのか
【定義】 SCM材とは、炭素鋼にクロムとモリブデンを加えることで、焼入れ性を高めた合金鋼のことです。
炭素量はほぼ同じ。違いはクロムとモリブデン
JIS G 4051が定めるS45Cの炭素量は0.42〜0.48%。JIS G 4053が定めるSCM440の炭素量は0.38〜0.43%です。数字だけを見れば、S45Cのほうがむしろ炭素は多く含まれています。
差が出るのは合金元素です。SCM440にはクロムが0.90〜1.20%、モリブデンが0.15〜0.30%含まれています。S45Cにはクロムの規定がなく、モリブデンも入っていません。
この2つの元素が何をしているかというと、焼入れのときに冷却が遅くても硬化組織ができるようにしています。「硬くなる上限」を上げているのではなく、「硬くなる範囲」を広げている、と捉えると分かりやすいと思います。
焼入れ性(質量効果)――太い軸ほど差が出ます
焼入れは表面から冷えます。軸が太くなるほど中心部の冷却が遅れ、硬化組織になりきらない部分が残ります。質量効果と呼ばれる現象です。
調質後の引張強さで比べると、差がはっきりします。
| 軸径 | S45C | SCM440 |
|---|---|---|
| Φ20以下 | 約690MPa(中心まで硬化) | 約980MPa |
| Φ20〜40 | 500〜600MPa | 約960MPa |
| Φ40〜80 | 400〜500MPa | 約930MPa |
| Φ80超 | 約400MPa以下 | 約880MPa |
出典:金属データブック《たすいち》
S45CはΦ40を超えたあたりから中心部の強度が落ち始め、Φ80では調質をかけた意味がほとんどなくなります。対してSCM440は、Φ80を超えても約880MPaを保ちます。
軸径Φ40を超えたあたりから、S45Cでは芯まで焼きが入りません
実務上の分かれ目がここです。平野鉄工でご相談を受ける摩耗部品は、Φ50〜Φ100の範囲が多く、ちょうどS45Cの限界域に入ります。
後ほどご紹介する圧延設備用キャップ(Φ82×37)も、この範囲でした。S45C+高周波焼入れで、約3か月ごとの交換が続いていた部品です。表面は硬くなっていても、その下を支える芯部が弱い。硬い皮を柔らかい土台に載せている状態では、荷重がかかったときに皮のほうが負けます。
ただし、Φ40以下であればS45Cで十分に成り立つ部品も多くあります。太いから必ずSCM、細いから必ずS45C、と機械的に決めているわけではありません。
[内部リンク]>>SCM材(クロムモリブデン鋼鋼材)の特徴と加工方法とは?
[内部リンク]>>SNC材(ニッケルクロム鋼)のそれぞれの種類と特徴、加工方法まで解説!
熱処理の違い。調質・高周波焼入れ・浸炭焼入れは何を変えているのか
【ポイント】 3つの熱処理は、硬くする場所と深さが違います。
調質は「全体の粘り強さ」を上げる
調質は、焼入れをしてから高温で焼戻す処理です。S45Cの場合、820〜870℃で焼入れし、550〜650℃で焼戻します。
表面だけを硬くするのではなく、部品全体の強度と靭性のバランスを整えるのが目的です。SCM440を調質すると285〜341HBW程度になり、引張強さは約980MPaに達します。
硬さの絶対値では焼入れままの状態に及びません。数字の上では物足りなく見えます。それでも当社が調質をご提案する場面が多いのは、割れ・欠けのトラブルが調質で解決することが多いためです。
高周波焼入れは「表面だけ」を硬くする
高周波焼入れは、コイルに高周波電流を流して部品表面だけを急速加熱し、そのまま急冷する処理です。加熱が秒単位で終わるため、必要な部分だけを狙って硬くできます。
仕上がり硬度は、S45CでHRC50〜60(水冷)またはHRC43〜53(油冷)、SCM440でHRC55〜65(水冷)またはHRC50〜58(油冷)です。硬さを保つ場合の焼戻し温度は160〜180℃とされています。
浸炭焼入れは「炭素を入れてから」硬くする
浸炭焼入れは、炭素の少ない鋼を炉に入れ、表面から炭素を染み込ませたうえで焼入れする処理です。
SCM415・SCM420を浸炭焼入れした場合、表面硬度はHRC60〜62、芯部はHRC30〜40になります。表面は高周波焼入れより硬く、芯部は靭性を残す。この組み合わせが浸炭焼入れの特徴です。
硬化層は、高周波1.0〜2.0mm、浸炭0.3〜1.2mm
意外に思われることが多いのですが、硬化層は高周波焼入れのほうが深くなります。
| 処理 | 硬化層深さ | 深さの決まり方 |
|---|---|---|
| 高周波焼入れ | 通常1.0〜2.0mm | コイルに流す出力と加熱時間 |
| 浸炭焼入れ | 有効硬化層0.3〜1.2mm(550HV基準) | 炉への投入時間 |
「浸炭のほうが本格的だから深いはず」という感覚で図面を書くと、想定と違う部品が上がってきます。深さで選ぶなら高周波焼入れ、表面硬度と芯部靭性の両立で選ぶなら浸炭焼入れ、というのが分け方の基本になります。
もっとも、有効硬化層は550HVという判定基準に基づく数値で、測り方の違う値と単純に比較はできません。図面に硬化層深さを指定される際は、判定硬さの基準も併記していただけると齟齬が減ります。
[内部リンク]>>高周波焼入れとは?シャフトやギヤの耐久性を高めるためのポイントとは?
[内部リンク]>>浸炭焼入れとは?効果、長寿命化への応用まで徹底解説!
「SCM+浸炭」と「SCM+高周波」では、そもそも鋼種が違います
【ポイント】 同じ「SCM材」でも、浸炭焼入れに使う鋼種と高周波焼入れに使う鋼種は別物です。
浸炭焼入れができるのはSCM415・SCM420
JIS G 4053では、SCM415の炭素量は0.13〜0.18%、SCM420は0.18〜0.23%と定められています。低い炭素量が、浸炭焼入れの前提です。
炭素が少ないから、表面に炭素を入れる余地がある。そして炭素が少ないから、浸炭されなかった芯部はHRC30〜40の靭性を保てます。
高周波焼入れに使うのはSCM435・SCM440
一方、SCM435の炭素量は0.33〜0.38%、SCM440は0.38〜0.43%です。高周波焼入れで硬さを出すには、母材にあらかじめ炭素が含まれている必要があります。
つまり、SCM415/420とSCM435/440では、炭素量が2倍以上違います。「SCM材」という同じ呼び名でも、設計上はまったく別の材料として扱う必要があります。
図面に「SCM440・浸炭焼入れ」と書くと成立しません
炭素を0.38〜0.43%含むSCM440に浸炭処理をかけても、表面と芯部の炭素量に差がつかず、浸炭焼入れの狙いである「硬い表面と粘る芯部」は得られません。
当社では、こうしたご指示をいただいた場合、加工に入る前に必ず確認のご連絡を差し上げています。材料を手配してから気づくと、納期に大きな影響が出るためです。
当社の浸炭実績はSNC415です
正直に申し上げますと、平野鉄工が浸炭焼入れでご提案した実績は、SCM415/420ではなくSNC415(ニッケルクロム鋼)です。設備用段付きシャフト(Φ38×127)の案件で、当初は「S45C+高周波焼入れ」というご指定でした。
硬度を上げたい、しかし材料費は抑えたい。相反するご要望に対して、S45Cのまま高周波焼入れを施すと硬度にばらつきが生じやすいと判断し、加工前にSNC415+浸炭焼入れへの変更をご提案しています。結果として、硬度のばらつきを抑えたうえで、長寿命化とコストダウンを両立できました。
浸炭焼入れに使える低炭素の合金鋼は、SCM415/420のほかにSNC415、SNCM220などがあります。どれを選ぶかは要求硬度と芯部強度、そして材料の入手性で決まります。
[内部リンク]>>SNC材(ニッケルクロム鋼)のそれぞれの種類と特徴、加工方法まで解説!
当社が「S45C+高周波焼入れ」を第一候補にしない3つの理由
【ポイント】 表面硬度だけを見れば合理的な選択ですが、当社の提案実績では他仕様へ変更した案件が目立ちます。
摩耗するなら硬くすればいい。硬くするなら高周波焼入れが安い。この筋道は間違っていません。実際、S45C+高周波焼入れは今も広く使われている仕様です。
ただ、平野鉄工が材質・熱処理の変更をご提案してきた案件を振り返ると、変更前の仕様が「S45C+高周波焼入れ」だったものが目立ちます。理由は3つあります。
理由①:硬度にばらつきが出やすい
S45Cは焼入れ性が高くありません。冷却速度が少し違うだけで、硬化組織になる部分とならない部分が分かれます。
高周波焼入れは加熱が秒単位で終わる処理です。生産性が高い反面、形状が複雑な部品では加熱のムラがそのまま硬度のムラになります。
実際、Vプーリーについて「谷側の焼きが甘いという指摘を受けた、谷側と同じ硬度で焼きを入れることは可能か」というご相談をいただいたことがあります。V溝のように山と谷がある形状では、コイルからの距離が場所ごとに変わるため、硬度をそろえるのが難しくなります。
理由②:硬化層を超えて摩耗すると、一気に地金が出ます
高周波焼入れの硬化層は通常1.0〜2.0mmです。摩耗がこの深さを超えた瞬間、その下にあるのは焼きの入っていないS45Cの地金です。
硬い表面が守ってくれている間は摩耗が遅く、突き抜けた後は急に進む。摩耗の進行速度が途中から変わるため、交換時期の予測が立てにくくなります。
理由③:靭性が足りず、段付き部やスプライン部が割れる
摩耗より先に割れが来る場合があります。スプライン穴付きスプロケット軸のご相談がその例でした。
S45C+高周波焼入れの仕様で、実機稼働時の衝撃とねじれに対して粘り強さが不足し、スプライン穴の部分が割れて欠ける不具合を繰り返していました。表面を硬くすることと、粘り強さを持たせることは、別の話です。
当社はSCM440+調質への変更をご提案しました。硬度の絶対値は下がりますが、強度と靭性を両立させたことで、割れ・欠けのトラブルは解消しています。
なぜ、硬度を下げる提案で解決したのか
割れは、応力が集中する部分で起きます。スプライン穴のような角のある形状は、まさに応力が集中する場所です。
表面だけが硬く、その直下に硬度の変化点がある状態では、そこが割れの起点になります。調質は部品全体を同じ組織にそろえる処理なので、硬度の変化点が生まれません。だから割れにくくなります。
ここまで申し上げましたが、S45C+高周波焼入れがすべての部品で不適切だということではありません。Φ40以下の軸で、荷重が小さく、摺動面が単純な形状であれば、コストと性能のバランスが取れた良い選択です。当社としては「摩耗対策として反射的にこの仕様を選ぶのは避けたい」という立場です。
[内部リンク]>>シャフト摩耗の原因と対策|シャフトをコストメリット良く活用するためには?
4つの仕様を選び分ける、3つの判断軸
【ポイント】 軸径・止めたい不具合・要求寿命の3つを順に見ると、候補は2つ程度まで絞れます。
判断軸①:軸径――質量効果で決まる境界
| 軸径 | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| Φ20以下 | S45C(生材または調質) | 中心まで焼きが入り、約690MPaを確保できる |
| Φ20〜40 | S45C調質/SCM調質 | 用途と荷重で判断が分かれる範囲 |
| Φ40〜80 | SCM435/440+調質 | S45Cでは中心強度が400〜500MPaまで落ちる |
| Φ80超 | SCM435/440+調質 | S45Cでは調質の効果がほとんど得られない |
判断軸②:止めたいのは摩耗か、割れ・欠けか
現物を拝見すると、摩耗と割れは見分けがつきます。
| 症状 | 考えられる原因 | 向かう方向 |
|---|---|---|
| 摺動面が均一に痩せている | 表面硬度の不足 | 表面硬度を上げる(高周波・浸炭) |
| 角部・段付き部が欠けている | 靭性の不足 | 全体の粘りを上げる(調質) |
| 表面が剥がれるように脱落している | 硬化層と芯部の境界での破壊 | 母材ごと強くする(SCM調質・浸炭) |
摩耗と割れの両方が出ている場合は、浸炭焼入れが候補になります。表面HRC60〜62、芯部HRC30〜40という組み合わせは、両立を狙った仕様だからです。
判断軸③:硬化層をどれだけ持たせたいか
摩耗の許容量が、必要な硬化層の深さを決めます。年間0.2mm摩耗する部品を5年持たせたいなら、1.0mm以上の硬化層が要ります。
高周波焼入れなら1.0〜2.0mm、浸炭焼入れなら有効硬化層で0.3〜1.2mm。この数字を摩耗速度と突き合わせると、どちらが要求に届くかが見えてきます。
ただし、摩耗速度が事前に分かっている部品は多くありません。実測値がない場合は、現行品の交換周期と摩耗量から逆算する形をおすすめしています。
切り分けチェックリスト
- 軸径はΦ40を超えるか ── 超えるならSCM系を前提に検討します
- 不具合は摩耗か、割れ・欠けか ── 割れなら硬度より靭性です
- 摩耗の許容量は何mmか ── 1.0mmを超えるなら高周波焼入れの硬化層が候補です
- 表面と芯部の両方に要求があるか ── あるなら浸炭焼入れです
- 使用環境に腐食の要素はあるか ── あれば表面処理の併用を検討します
迷ったら、サンプル品で比べるという方法もあります
3つの軸で絞っても、2案が残ることはあります。カタログの硬度値だけでは、自社の摩耗形態でどちらが持つかまでは分かりません。
その場合は、形状・公差・面粗さをそろえたサンプル品を仕様違いで製作し、実機で同条件で摩耗させて比べる進め方があります。単価が上がる仕様への変更を社内で説明される際、実測値は強い材料になります。
[内部リンク]>>耐摩耗性の比較試験とは?金属部品の摩耗試験の種類・JIS規格・評価方法を解説!
熱処理を入れると、加工でできなくなること
【ポイント】 熱処理は寸法を変えます。焼入れ後に旋削で削って直すことは、原則としてできません。
熱処理には歪みがつきものです
加熱と冷却を伴う以上、部品は必ず動きます。実務上の目安として、熱処理による寸法変化は0.01〜0.1mm程度とされています。
公差がΦ80(-0.036〜-0.090)といった精度の部品では、この動きは無視できません。
高周波焼入れの後、内径は縮みます
平野鉄工の加工実績では、駆動車輪やハスバ歯車において、高周波焼入れを施した後に内径が収縮する傾向が確認されています。
方向が分かっていれば、事前に見込んで削っておくことができます。逆に、方向を知らずに公差ぎりぎりで仕上げておくと、焼入れ後に公差から外れます。
だから、焼入れ前の取り代と焼入れ後の円筒研削まで含めて工程を組みます
平野鉄工の工程は、旋削 → 熱処理(協力会社) → 円筒研削(自社)という順番が基本です。
焼入れ前の旋削では、仕上げ寸法に対して研削の取り代を残します。取り代が少なすぎると歪みを取りきれず、多すぎると研削に時間がかかります。この見極めは部品の形状と熱処理の種類で変わるため、図面をいただいた段階でご相談させていただく部分です。
なお、焼入れ後に硬くなった面を旋削で追い込むことは、工具の摩耗と加工コストの面で現実的ではありません。硬化後の寸法出しは研削で行う、と工程設計の前提に置いていただくのが安全です。
[内部リンク]>>ローラーシャフトとは?用途から選定方法、耐久性向上を実現する方法まで徹底解説!
コストをどう見るか
※本節は執筆保留です。4つの仕様の材料費・熱処理費・研削費について、平野鉄工様の見積実績を確認したうえで加筆します。次回お打ち合わせでのヒアリング項目です。
平野鉄工が、材質選定の段階から逆提案できる理由
【ポイント】 熱処理の手配と焼入れ後の円筒研削を一つの窓口でまとめているため、仕様変更を工程ごと組み替えられます。
熱処理は協力会社、焼入れ後の円筒研削は自社内製
正直にお伝えすると、平野鉄工は熱処理炉も高周波加熱装置も持っていません。調質・高周波焼入れ・浸炭焼入れ・油焼入れ・真空焼入れは、すべて協力会社にお願いしています。
弊社が自社で持っているのは、旋盤・マシニングによる切削加工と、自動車部品の製造で培った円筒研削の設備です。
熱処理を外に出しながら、その前後の加工を自社で押さえている。だからこそ、「この熱処理なら取り代をこれだけ残す」「この歪みなら研削で追い込める」という判断を、工程全体を見ながらできます。熱処理だけを外注に出して戻ってきた部品を、さらに別の会社で研削する体制では、歪みの責任分界が曖昧になりがちです。
丸物はΦ5mmからΦ900mmまで対応します
自社設備と加工外注ネットワークを組み合わせることで、丸物部品は最小Φ5mmから最大Φ900mmまで対応しています。自社設備のサイズを超える特大ワークについては、研削工程も含めて外部ネットワークで対応する形になります。
「S45Cで高周波焼入れ」というご依頼を、そのままお受けしない場合があります
ご指定どおりに作ることが、いつもお客様のためになるとは限りません。
先ほどの段付きシャフトの案件では、「S45C+高周波焼入れ」というご指定に対して、硬度がばらつくことを加工前にお伝えし、SNC415+浸炭焼入れへの変更をご提案しました。ご指定のまま作っていれば、数か月後に同じご相談をいただくことになっていたと考えています。
平野鉄工は、材料選定・表面処理・加工方法の3つを組み合わせて部品を長寿命化することを事業の柱にしています。図面どおりに削るだけの加工屋ではありたくない、というのが弊社の立場です。
材質・熱処理の変更でご提案した実績
【ポイント】 いずれも、お客様の既存仕様を材質と熱処理の組み合わせから見直した案件です。
圧延設備用キャップ(Φ82×37):SCM435+油焼入れへ変更し、交換周期が3か月から1年に
変更前はS45C+高周波焼入れでした。過酷な使用環境に耐えられず、約3か月ごとの摩耗交換が必要になっていた部品です。
SCM435+油焼入れへ変更したところ、交換サイクルは約1年に延び、交換頻度は3分の1になりました。表面にスラッジ(金属粉などの不純物)が出にくくなったという効果も得られています。
Φ82という径は、S45Cでは調質の効果がほとんど得られない範囲です。表面を硬くする前に、母材そのものを変える必要がありました。
スプライン穴付きスプロケット軸:SCM440+調質へ変更し、割れ・欠けを解消
変更前はS45C+高周波焼入れでした。実機稼働時の衝撃とねじれに対して靭性が不足し、スプライン穴の部分が割れて欠ける不具合を繰り返していました。
SCM440+調質へ変更し、強度と靭性を両立させたことで、割れ・欠けは解消しています。
設備用段付きシャフト(Φ38×127):SNC415+浸炭焼入れへ変更し、硬度ばらつきを抑制
「硬度を上げたい、ただし材料費は抑えたい」というご要望に対して、当初のご指定はS45C+高周波焼入れでした。
この仕様では硬度にばらつきが生じやすいと判断し、加工前にSNC415+浸炭焼入れへの変更をご提案しています。硬度のばらつきを抑えたうえで、長寿命化とコストダウンを両立できました。
中型Vプーリー:SCM440+調質へ変更し、摩耗による頻繁交換を解消
変更前はS45Cの生材でした。摩耗の進行が早く、頻繁な交換を強いられていた部品です。SCM440+調質へ変更し、耐久性を引き上げています。
要求される耐摩耗性がさらに高い場合は、SUJ2+真空焼入れという選択肢もあります。圧延設備用ローラー(Φ80×36)のダイヤ状テーパー部では、炭素鋼や調質鋼では摩耗の進行が速く、SUJ2+真空焼入れを採用しました。
掲載している寸法と交換周期は、実際にご提案した案件のものです。ただし、同じ仕様に変更すれば同じ結果が得られるとは限りません。使用環境と荷重条件によって効果は変わります。
ローラー・シャフトの材質選定は、平野鉄工へご相談ください
ここまでコラムを読んでいただいたあなたのように、多くのご担当者が「この摩耗をどう止めればいいのか」で迷いながらサプライヤーを探しておられます。材質か、熱処理か、それとも表面処理か。組み合わせの数だけ選択肢があり、しかもカタログの数値だけでは決めきれません。
図面をお送りいただければ、材質と熱処理の組み合わせからご提案します
現行品の材質・熱処理と、交換周期や摩耗量が分かるものをあわせてお送りいただけますと、より具体的なご提案ができます。摩耗した現物を拝見できる場合は、摩耗の形態から原因を絞り込むことも可能です。
平野鉄工の対応範囲
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応寸法(丸物) | 最小Φ5mm 〜 最大Φ900mm |
| 加工 | 旋盤加工・マシニング加工・円筒研削(自社) |
| 熱処理 | 調質・高周波焼入れ・浸炭焼入れ・油焼入れ・真空焼入れ(協力会社手配) |
| 表面処理 | 硬質クロムめっき・黒染め・溶射 ほか(協力会社手配) |
| 所在地 | 愛知県名古屋市港区 |
材質選定からのVA/VE提案を含めて、まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. SCM440に浸炭焼入れはできますか?
A. 実用的ではありません。SCM440は炭素を0.38〜0.43%含むため、浸炭の効果が得られないためです。
Q. S45CとSCM材は、どのくらいの軸径から使い分けますか?
A. Φ40が一つの目安です。これを超えるとS45Cは中心部の強度が落ち、調質の効果が薄れます。
Q. 高周波焼入れと浸炭焼入れでは、どちらが硬化層が深いですか?
A. 高周波焼入れです。通常1.0〜2.0mm。浸炭の有効硬化層は0.3〜1.2mm程度が一般的です。
参考資料
- JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材) https://kikakurui.com/g4/G4051-2016-01.html
- JIS G 4053(機械構造用合金鋼鋼材) https://kikakurui.com/g4/G4053-2018-01.html
- 焼入れ・熱処理研究所.com https://www.yakiire-netsusyori.com/kakou/koshuha.html
- 山崎化学エイチ・テイ株式会社 https://saitama-j.co.jp/260629-2/
- 金属データブック《たすいち》 https://tasuichi.jp/
- 株式会社エース https://ace-tech.jp/s45c-refining-standard/
- 日興精機株式会社 https://www.nikkoss.jp/columns/post-874
※JIS G 4051およびJIS G 4053は鋼材そのものの規格であり、熱処理後の機械的性質は規定していません(JIS G 4051 附属書JD)。本文に記載した熱処理後の硬度・強度は、各社の技術資料および当社の実務上の目安に基づく参考値です。
関連記事
-
2026.08.13
スプラインシャフトとは?種類・規格・加工方法から「材質と熱処理の決め方」まで徹底解説!
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
装置の異音が出はじめて分解してみたら、スプライン部の歯面が片減りしていた。弊社ではこうしたご相談をたびたびお受けします。図面通りに作られた軸なのに、想・・・ -
2026.08.13
SKH51(ハイス鋼)とは?特徴・熱処理・加工方法から「SKH51を選ぶべき部品」の見極め方まで解説!
- 材質
- 長寿命化
- 加工
SKH51とは?JIS G 4403が定める化学成分・焼入れ1,220℃/焼戻し560℃の熱処理条件・800HVという硬さを正確に解説。SKD11やS・・・ -
2026.08.13
耐摩耗性の比較試験とは?金属部品の摩耗試験の種類・JIS規格・評価方法を解説!
- 長寿命化
- 加工
シャフトやローラーが想定より早く摩耗してしまい、仕様を上げるべきか迷っている。しかし高周波焼入れから溶射へ切り替えて、本当に寿命が延びるのかは読めない・・・ -
2026.08.13
タフトライド処理とは?塩浴軟窒化の原理・硬度・膜厚から適用材質まで徹底解説!
- 長寿命化
- 表面処理
シャフトやローラーの摩耗対策として、図面に「タフトライド」と指示された経験のある方は多いと思います。ところが、処理をかけたはずの軸受接触面が1年経たず・・・ -
2026.08.13
ステライトとは?特徴・施工方法から、摩耗部品を再生する「削り→肉盛り→削り」まで解説!
- 長寿命化
- 表面処理
ステライトとは何か、グレード別の硬度と使い分け、肉盛溶接と溶射の違いを解説。さらに摩耗した部品を「削り→肉盛り→削り」で再生する工程と、硬い盛りを削る・・・ -
2026.08.13
靭性と硬度の違いとは?金属部品の材質選定で失敗しないための基礎知識
- 材質
- 長寿命化
靭性と硬度の違いを、試験方法・単位・トレードオフの理由から解説。硬度を上げて欠けた・折れた実例と、芯部の粘りと表層の硬さを両立させる材質・熱処理の選び・・・ -
2026.08.13
精密研磨とは?研削との違いと、丸物部品を長寿命化する面粗さの決め方
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
「図面にRa0.2と指示されているが、なぜこの値なのかを説明できない」「旋盤加工はできても、熱処理後の研磨まで含めて任せられる加工先が見つからない」。・・・ -
2026.08.13
油焼入れとは?水冷・空冷との違いと、焼入れ後の変形まで見越した部品づくりのポイント
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
図面に「焼入れ」と書かれていても、水で冷やすのか油で冷やすのかまでは指定されていない。そんな図面を受け取って、判断に迷われた経験はないでしょうか。冷却・・・ -
2026.08.13
黒染め(四三酸化鉄皮膜)とは?特徴・デメリットから「黒染めで足りる部品」の見極め方まで解説!
- 長寿命化
- 表面処理
図面に「黒染め」と指示したのに、納品から半年で錆が出てしまった。あるいは、摩耗が止まらない部品に黒染めを指定したものの、状況が変わらなかった。私たち平・・・ -
2026.08.13
旋盤加工とは?種類・精度・材質選定から長寿命化のポイントまで徹底解説!
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
「大手の加工メーカーに断られてしまって」——ローラーやシャフトのご相談をいただくとき、この一言から始まることが少なくありません。極端に小さいわけでも、・・・ -
2026.08.13
SKD11とは?特徴・硬度・熱処理から、他材質との使い分けまで徹底解説!
- 材質
- 長寿命化
- 加工
常温で使う金型や工具のための材料で、焼入れ・焼戻しを行うとHRC58以上の硬さが得られます。プレス金型、転造ダイス、シャー刃、ゲージなど、繰り返し当た・・・ -
2026.08.13
溶射とは?種類・メッキとの違いから摩耗部品の再生まで解説!
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
溶射とは何かを、原理・種類・メッキや溶接との違いから解説します。膜厚や研削代の決め方、溶射が向かないケース、摩耗したローラー・シャフトを削り→肉盛り→・・・ -
2026.08.13
油圧シリンダーとは?構造・種類から、ロッドを長寿命化する材質選定まで徹底解説!
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
油圧シリンダーの構造・種類・作動原理を分かりやすく解説。ピストンロッドの材質、熱処理、硬質クロムメッキ、真直度など、油漏れや摩耗を防ぎ長寿命化する選定・・・ -
2026.08.13
BC材(青銅鋳物)とは?種類・特徴と、ブッシュ・軸受を長持ちさせる加工のポイント
- 材質
- 丸物部品
- 加工
BC材(青銅鋳物)とは何かを、BC2・BC3・BC6・BC7の違いやCAC記号との対応表とあわせて解説。鋳巣を踏まえた旋盤加工の留意点や、ブッシュ・軸・・・ -
2026.08.13
S25Cとは?特徴・加工方法から長寿命化のポイントまで徹底解説!
- 材質
- 加工
S25Cとは炭素量0.22〜0.28%の機械構造用炭素鋼です。成分・機械的性質やS45C・SS400との違いから、旋盤加工で起きやすい課題、浸炭焼入れ・・・ -
2026.08.13
ノコ刃ネジ(のこ歯ねじ)とは?構造・台形ねじとの違いから長寿命化のポイントまで解説!
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
ノコ刃ネジ(のこ歯ねじ)の非対称構造や台形ねじとの違い、用途を解説。特殊ねじ加工の難所、材質・熱処理による長寿命化、図面がない現物からの復元方法までご・・・ -
2026.08.13
表面硬化処理の比較|S45C・SCM材で選ぶ高周波焼入れと浸炭焼入れ
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
高周波焼入れ・浸炭焼入れ・窒化・軟窒化を比較し、S45C・SCM材との適切な組み合わせを解説。有効硬化層深さや熱処理歪みまで、長寿命化に必要な選定ポイ・・・ -
2026.08.13
SS400に浸炭焼入れはできる?硬度・硬化層深さから注意点まで解説!
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
SS400に浸炭焼入れはできるのかを、材質規格・硬度・硬化層深さから解説。成分が保証されない注意点と、肌焼鋼への材質変更を含む長寿命化の選び方をご紹介・・・ -
2026.08.13
窒化処理とは?原理・適した材質から、丸物部品を長寿命化する選定ポイントまで解説!
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
窒化処理の原理・種類・適した材質を整理し、硬化層や白層、寸法変化を踏まえて丸物部品を長寿命化する選定ポイントを解説します。 … -
2026.08.13
真空焼入れとは?高周波焼入れとの違い・メリット・部品別の選び方を解説!
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
真空焼入れの仕組みと、高周波焼入れとの違いを比較。部品の材質・硬化範囲・後加工から最適な熱処理を選ぶポイントを解説します。 … -
2026.08.13
湯口棒とは?消耗部品としての摩耗メカニズムと、寿命を決める加工のポイント
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
湯口棒の役割や摩耗メカニズム、多段構造に必要な加工精度、寿命を延ばす材料・表面処理・加工方法の選び方を解説します。 … -
2026.08.13
円筒研磨とは?円筒研削との違いから加工のポイントまで徹底解説
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
「旋盤加工や熱処理だけでは、狙った寸法精度が安定して出ない」「熱処理を挟んだら反りや歪みが出てしまった」——丸物部品の精度や寿命でこうした課題に直面し… -
2025.08.27
SUJ2の特徴と加工のポイントから熱処理まで徹底解説!
- 材質
「部品には、とにかく硬さと耐摩耗性が欲しい」 「図面にSUJ2と書いてあるけど、加工は難しいのだろうか?」 「S45Cといった一般的な鋼材と、何が違う… -
2025.08.18
高周波焼入れとは?シャフトやギヤの耐久性を高めるためのポイントとは?
- 長寿命化
高周波焼入れとは? 高周波焼入れは、金属の表面を硬化させるための熱処理技術の一種です。この技術は、鋼材の表面だけを急激に加熱し、その後に冷却することで… -
2025.08.12
硬質クロムめっきの特性を活かすには?丸物加工品の長寿命化を実現するためのポイントを解説!
- 長寿命化
長寿命化が求められる丸物加工品にとって、硬質クロムめっきは非常に有効な表面処理です。しかし、単にめっきを施すだけでは、その特性を最大限に活かすことはで… -
2025.08.04
長尺・大径シャフトの加工における3つのポイント|なぜ大手メーカー中途半端なサイズのシャフトの加工・調達を断るのか?
- シャフト
- 長寿命化
長尺・大径シャフトは、産業設備の心臓部を担う重要な部品です。しかし、その加工・調達には、多くの企業が課題を抱えています。 本記事では、まず長尺・大径シ… -
2025.07.28
S45Cの特徴と加工方法とは?
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
S45C材の性能を最大限に引き出すには、用途に応じた最適な熱処理や表面処理が不可欠です。 S45Cは、機械構造用炭素鋼の 関連記事 S45Cでは高周波… -
2025.07.25
浸炭焼入れとは?効果、長寿命化への応用まで徹底解説!
- 長寿命化
部品の性能向上や長寿命化は、製造業における永遠の課題です。特に過酷な環境下で使用される金属部品において、その耐久性を高めるための熱処理技術は不可欠と言… -
2025.04.21
サブゼロ処理とは?
- 長寿命化
ゲージや金型といった高精度部品において、微細な寸法変化が製品品質を大きく左右します。焼入れにより鋼材は硬度を得られますが、同時に「見えない変化」が内部… -
2025.03.21
SNC材(ニッケルクロム鋼)のそれぞれの種類と特徴、加工方法まで解説!
- 長寿命化
- 加工
SNC材とは? SNC材(ニッケルクロム鋼)は、高強度・高耐久性を持つ合金鋼の一種であり、自動車部品や産業機械部品など、高負荷がかかる部品の製造に適し… -
2025.01.21
プーリーの摩耗による交換時期の見極め方と頻度を減らすための対策
- プーリー
- 長寿命化
「プーリーの交換時期っていつ頃だろう?」「プーリーの寿命を延ばすにはどうすればいいの?」 製造現場や設備保全を担当されている方なら、一度はこんな疑問を… -
2024.12.12
シャフト摩耗の原因と対策|シャフトをコストメリット良く活用するためには?
- シャフト
- 長寿命化
シャフトとは? シャフトは、動力を伝達するための回転軸として、機械の心臓部ともいえる存在です。エンジンやモーターからの回転エネルギーを機械内部の他の部… -
2024.11.19
SCM材(クロムモリブデン鋼鋼材)の特徴と加工方法とは?
- 長寿命化
- 表面処理
- 加工
SCM材(クロムモリブデン鋼鋼材)とは? SCM材は、機械構造用合金鋼の一種で、「クロムモリブデン鋼」とも呼ばれます。この鋼材は、炭素鋼にクロム(Cr… -
2024.11.19
ローラーシャフトとは?用途から選定方法、耐久性向上を実現する方法まで徹底解説!
- シャフト
- 長寿命化
- 丸物部品
- 加工
ローラーシャフトとは? ローラーシャフトは、搬送装置や製造ラインにおいて、物品や部品を円滑に移動させるために使用される円筒形の機械部品です。ローラーシ… -
2024.10.22
歯切り加工とは?
- 長寿命化
- 加工
歯切り加工は、歯車製造において精度と性能を左右する重要な技術です。本コラムでは、歯切り加工の基本から創成法と成形法の違い、歯すじ修正の重要性、そしてギ… -
2024.10.22
ギヤの定義から種類・製造加工まで
- ギヤ
- 長寿命化
- 加工
ギヤは、多くの機械装置において中心的な役割を果たす部品であり、その重要性は非常に大きいです。ギヤは、動力の伝達や速度の変換、トルクの調整など、機械の基… -
2024.10.22
油圧シリンダーピストンの役割と長寿命化の秘訣とは?
- シャフト
- 長寿命化
- 加工
油圧シリンダーは、さまざまな産業で重要な役割を果たすアクチュエータの一つであり、コンパクトなサイズにもかかわらず大きな力を発揮することができる点が特徴… -
2024.07.26
ギヤシャフトの加工方法から長寿命化のポイントまで
- シャフト
- 長寿命化
- 加工
ギヤシャフトとは? ギヤシャフトは、シャフト(軸)にギア(歯車)形状を付加した機械部品です。歯車の刃が切ってあるため、歯切りシャフトとも呼ばれます。ギ… -
2024.07.26
Vプーリーの特徴から加工技術について
- プーリー
- 長寿命化
- 加工
ベルトと共に用いられるプーリーは動力伝達に用いられる円盤状の部品です。 代表的なプーリーの種類には、Vプーリーと歯付きプーリーがあります。 ①Vプーリ…