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耐摩耗性の比較試験とは?金属部品の摩耗試験の種類・JIS規格・評価方法を解説!

2026/08/13

  • 長寿命化
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耐摩耗性の比較試験とは?金属部品の摩耗試験の種類・JIS規格・評価方法を解説!

シャフトやローラーが想定より早く摩耗してしまい、仕様を上げるべきか迷っている。しかし高周波焼入れから溶射へ切り替えて、本当に寿命が延びるのかは読めない。単価が上がる分の説明が社内でできず、結局は同じ仕様のまま毎年交換を続けている──。当社にも、こうしたご相談が繰り返し寄せられます。カタログに載っている硬さの数

シャフトやローラーが想定より早く摩耗してしまい、仕様を上げるべきか迷っている。しかし高周波焼入れから溶射へ切り替えて、本当に寿命が延びるのかは読めない。単価が上がる分の説明が社内でできず、結局は同じ仕様のまま毎年交換を続けている──。当社にも、こうしたご相談が繰り返し寄せられます。

カタログに載っている硬さの数値は、その部品が自社のラインで何年持つかを教えてくれません。摩耗は材料の性質だけで決まるものではなく、相手材・潤滑・粉塵・温度といった使用環境との組み合わせで決まるためです。

本記事では、摩耗の4つの形態と代表的な摩耗試験の種類、JIS H 8503が定める試験条件を整理したうえで、試験室のデータと実機の寿命がずれる理由、そして条件をそろえたサンプルを実機に並べて比べる進め方までを解説します。最後に、平野鉄工がサンプル製作の段階からどのようにお手伝いできるかをご紹介します。

耐摩耗性の比較試験とは?

【定義】 耐摩耗性の比較試験とは、条件をそろえた複数の試験片を同じ環境で摩耗させ、どの仕様が長く持つかを相対的に判定する試験のことです。

絶対的な寿命年数を出すための試験ではありません。「AとBのどちらが自社の使い方に合うか」を決めるための試験です。当社では、この相対比較こそが部品の仕様変更で最も費用対効果が高い工程だと考えています。

耐摩耗性は材料の絶対値ではなく、組み合わせで決まります

同じ材料でも、擦れる相手が変われば摩耗量は変わります。

硬さHV800の硬質クロムめっきが、常にHV600の窒化層より長持ちするとは限りません。相手材が軟らかい樹脂であれば、硬い皮膜は相手を削り取りながら自身は摩耗しにくくなります。一方で砂や鉄粉が噛み込む環境では、硬い皮膜であっても表面に傷が入り、そこを起点に剥離が進むことがあります。摩耗は材料単体の性質ではなく、材料と相手材と環境が作る「系」の性質です。 >>シャフト摩耗の原因と対策|シャフトをコストメリット良く活用するためには?

試験機で測る方法と、実機で並べる方法があります

比較試験には、大きく分けて2つのアプローチがあります。

ひとつは、ピンオンディスク試験機などを使い、荷重・速度・摺動距離を固定して摩耗量を測る方法です。条件を管理できるため再現性が高く、データを数値で残せます。もうひとつは、実際の設備に複数仕様のサンプルを組み込み、同じ稼働条件で摩耗させて比べる方法です。手間はかかりますが、自社の使用環境そのものが試験条件になります。ただし、どちらか一方で十分というわけではなく、両方を組み合わせるほうが判断の精度は上がります。

比較しないまま仕様を変えると、何が起きるか

仕様変更の失敗は、費用の増加だけでは終わりません。

溶射に切り替えたものの摩耗形態が合わず、半年で皮膜が剥離して以前より短命になった、というケースがあります。剥離した皮膜片が下流の軸受に噛み込み、想定していなかった箇所まで交換になることもあります。単価が3割上がって寿命が半分になれば、コストは実質的に2倍以上です。だからこそ、本番投入の前に小さく試す価値があります。

摩耗には4つの形態があります

【ポイント】 適切な仕様を選ぶためには、自社の部品がどの形態で摩耗しているかを先に特定する必要があります。

摩耗は一般に、凝着摩耗・アブレシブ摩耗・疲労摩耗・腐食摩耗の4つに分類されます(出典:特殊金属エクセル「金属の摩耗とは?」)。摩耗した部品の表面を見れば、どれが主因かはある程度まで絞り込めます。

凝着摩耗

金属同士が直接触れ合い、接触点で結合してから引きちぎられる摩耗です。

摺動面の微小な凹凸が摩擦熱で金属結合を起こし、その部分がちぎれることで進行します。焼き付きとも呼ばれます。摩耗粉が数十μm〜1mm程度で金属光沢を持つ場合はシビア摩耗、数μm以下の黒っぽい粉が出る場合はマイルド摩耗と区別されます。潤滑が切れやすい低速・高面圧の箇所で多く見られます。

アブレシブ摩耗

硬い突起や異物が、軟らかい面を削り取る摩耗です。

相手材の突起が直接削る二元摩耗と、砂・鉄粉などの硬い粒子が両者の間に入り込んで削る三元摩耗があります。摩耗面に摺動方向の筋状の傷が残るのが特徴です。粉体を扱う設備や屋外設備のシャフトでは、この形態が主因になることが多くあります。

疲労摩耗

繰り返し荷重によって表層直下に亀裂が発生し、皮膜や表層が剥がれ落ちる摩耗です。

ピッチング(点状のくぼみ)、フレーキング(うろこ状の剥離)、ピーリング(薄い剥がれ)として現れます。転がり接触を伴うローラーや軸受周りで発生しやすく、硬さを上げるだけでは止まりません。むしろ表層だけを硬くして内部が軟らかいままだと、境界から剥離することがあります。 >>高周波焼入れとは?シャフトやギヤの耐久性を高めるためのポイントとは?

腐食摩耗

腐食で弱くなった層が、摩擦によって次々と削られていく摩耗です。

水や薬品にさらされる環境で、化学反応によって生成した脆い層が摩擦力で脱離し、露出した新しい面がまた腐食する、という繰り返しで進行します。乾燥した屋内では問題にならなかった材料が、洗浄工程を含むラインでは急速に痩せる、という現象の多くはここに原因があります。

摩耗形態が違えば、選ぶべき処理も変わります

アブレシブ摩耗には表面硬さ、疲労摩耗には硬化層の深さと下地強度、腐食摩耗には皮膜の耐食性と密着性が効きます。同じ「耐摩耗性を上げたい」というご要望でも、処方はまったく別のものになります。 >>ローラーシャフトとは?用途から選定方法、耐久性向上を実現する方法まで徹底解説!

摩耗試験の主な種類と、対応する規格

【ポイント】 摩耗試験を選ぶときは、試験機の形式が自社部品の接触形態に近いかどうかを基準にします。

摩擦摩耗試験は「一対の試験片を一定の荷重と速度のもとで摺動させ、摩擦力を計測するとともに、所定距離を摺動した後の摩耗量を測定する」試験と定義されています(出典:ジュンツウネット21)。以下は代表的な形式です。

ピンオンディスク式・ボールオンディスク式

回転する円板に、ピンまたはボールを一定荷重で押し当てる方式です。

ASTM G99-05、JIS R 1613-1993が対応規格として挙げられます。接触面積が小さく面圧を高くできるため、短時間で差が出ます。潤滑の有無、雰囲気、温度を変えた比較がしやすい形式です。ただし実機の面接触とは接触状態が異なるため、順位はそのまま実機に移らない場合があります。

ブロックオンリング式・スラストシリンダー式・四球式

接触形態の違いによって、複数の形式が使い分けられています。

ブロックオンリング式はASTM G77-05、D2714-94、D3704-96、スラストシリンダー式はJIS K7218-1986、四球式(曽田式・シェル式)はISO 20623:2003、ASTM D2266-01、JIS K2519が対応します(出典:ジュンツウネット21)。四球式は主に潤滑油の極圧性評価に用いられ、材料そのものの比較には向きません。

大越式迅速摩耗試験機

回転する円板に平板試験片を押し当て、短時間で摩耗量と摩擦係数を測定する国産の試験機です。

公設試験機関にも設置されており、たとえば広島市工業技術センターの保有機(JTトーシ製 OAT-U)は、荷重2.17〜19.5kg、摩擦速度0.063〜4.21m/sec、摩擦距離66.6〜600mmの範囲で試験できます。使用料は1時間あたり200円です(出典:広島市工業技術センター)。自社で試験機を持たない場合、こうした公設試の設備を利用する選択肢もあります。

試験方式の比較

方式主な対応規格接触形態向いている用途
ピンオンディスク式ASTM G99-05/JIS R 1613点・面材料・皮膜の相対比較
ブロックオンリング式ASTM G77-05 ほか線接触軸と軸受の組み合わせ
スラストシリンダー式JIS K7218面接触樹脂・摺動材
四球式ISO 20623/JIS K2519点接触潤滑油の極圧性
大越式―(機関ごとの手順)短時間での相対比較

JIS H 8503が定める、めっきの耐摩耗性試験

【定義】 JIS H 8503:1989「めっきの耐磨耗性試験方法」は、電気めっきの耐摩耗性試験方法について規定した日本産業規格です。

表面処理の耐摩耗性を語る際によく引用される規格ですが、条文を確認せずに使うと適用範囲を誤ります。ここは仕様を決める側にとって実務上の落とし穴になりやすい部分です。

5つの試験方法と、それぞれの条件

規格には5種類の試験方法が規定されています。

試験方法主な試験条件試料寸法
砂落し磨耗試験研削材 炭化けい素質#80/落下量 毎分320±10g50×40mm
噴射磨耗試験研削材 炭化けい素質#100/自然落下量 毎分23±1g/空気圧408〜1000mmH₂O50×40mm
往復運動磨耗試験研磨紙#240〜#600/毎分60DS・ストローク30mm/荷重1.5〜2.5kgf(硬いめっき)80×80mm
平板回転磨耗試験(テーバ式)研磨紙#240〜#600/60±2rpm/荷重1.0kgf(硬いめっき)直径120mm
両輪駆動磨耗試験(アムスラ式)試料回転数200回/min/滑り率10%/荷重2〜20kgf(工業用クロム)外径φ40×内径φ16×厚さ10mm

出典:JIS H 8503:1989。試験条件は数値まで規定されているため、社内で試験を依頼する際の仕様書にそのまま引用できます。

この規格は、電気めっきにしか適用されません

規格の適用範囲は「電気めっきの耐磨耗性試験方法について規定する」と明記されています。

つまり、溶射皮膜・浸炭焼入れ層・高周波焼入れ層・窒化層は、JIS H 8503の対象外です。硬質クロムめっきと超硬溶射を「同じJISの土俵で比較する」ことはできません。弊社としては、ここが最も誤解されやすい点だと考えています。異なる処理方式をまたいで比較したい場合、共通の物差しになるのは規格ではなく、自社の使用環境そのものです。 >>硬質クロムめっきの特性を活かすには?丸物加工品の長寿命化を実現するためのポイントを解説!

試験室のデータと、実機の寿命が一致しない理由

【ポイント】 試験機は摩耗形態を1つに固定します。実機では複数の形態が同時に進みます。

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実機では潤滑不良、異物、荷重、ベアリング状態など複数の要因がシャフト摩耗に重なります。試験結果を現場へ適用する前に、実際の摩耗原因と対策を整理することが重要です。 シャフト摩耗の原因と対策 →

「試験では2倍持つはずだったのに、実機では変わらなかった」というご相談を、当社は何度か受けてきました。原因の多くは試験そのものの精度ではなく、試験条件と実機条件のずれにあります。

試験機は摩耗形態を1つに固定します

ピンオンディスク試験は、基本的に凝着摩耗とアブレシブ摩耗を管理された条件下で再現します。

実機のシャフトでは、軸受との接触部で凝着摩耗が進みながら、外部から入った粉塵によるアブレシブ摩耗が重なり、洗浄水で腐食摩耗も同時に起きています。単一形態で測った順位が、複合条件でそのまま維持される保証はありません。試験データを見るときは、その試験がどの形態を測っているのかを先に確認してください。

硬さが高いほど長持ちする、とは限りません

硬さは摩耗のしにくさと相関しますが、比例するわけではありません。

硬い皮膜ほど靭性が下がり、衝撃や曲げに対して割れやすくなります。当社にご相談いただいた案件でも、「排風機の機能はもとより、靭性や強度を損なうことなく、部分的でよいので耐摩耗性を向上させる方法はないものか」というご要望をいただいたことがあります。硬さと靭性はトレードオフの関係にあり、どちらを優先するかは部品の役割によって変わります。

相手材・潤滑・温度・粉塵は、カタログに載りません

カタログの数値は、メーカーが定めた標準条件での測定値です。

自社の設備で相手材が何か、潤滑は連続か断続か、周囲温度は何℃か、粉塵の粒径はどれくらいか──これらはカタログには書かれていません。ただし、すべての条件を厳密に把握しなければ判断できない、というわけでもありません。実機に置いて比べれば、条件を数値化しなくても結果は出ます。

だからこそ、サンプルで並べて比べます

【ポイント】 比較を成立させるためには、変える条件を1つに絞り、それ以外をすべてそろえる必要があります。

当社が仕様変更のご相談でおすすめしているのが、サンプル品による実機比較です。特別な試験設備は要りません。必要なのは、条件をそろえた部品を複数本用意することだけです。

変える条件は1つだけにします

材質と表面処理を同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。

たとえばS45Cに高周波焼入れを施した現行品に対し、比較対象はS45Cのまま表面処理だけを変えた品にします。材質を変えたい場合は、表面処理を現行と同じにした品を別途用意します。1回の試験で欲張らないことが、結果的に最短の道になります。 >>S45Cの特徴と加工方法とは?

そろえるべきものは、材質だけではありません

同じ図面から作ったつもりでも、比較にならないことがあります。

寸法公差、仕上げ面粗さ、下地の削り取り代、組み付け位置。この4つがずれていると、摩耗量の差が仕様の差なのか加工の差なのか判別できません。特に溶射や肉盛りを含む比較では、下地の取り代の違いが皮膜厚さの違いとなって現れます。当社がサンプル製作をお受けする際は、比較対象すべてを同一の段取りで加工するようにしています。

何本作り、どこまで摩耗させるか

本数は、比較したい仕様の数だけ用意するのが基本です。

現行品を含めて3仕様であれば3本、判断に確信を持ちたい場合は各仕様2本ずつの計6本にします。摩耗させる期間は、現行品が交換に至る周期を基準にします。現行品が1年で交換なら、まず半年で一度取り外して摩耗量を測り、差が出ていればその時点で判断できます。ただし、稼働条件が季節で大きく変わる設備では、1周期を通して見たほうが確実です。

サンプル比較試験の進め方

  • 現状の把握:摩耗した現行品の摩耗量・摩耗面の状態から、摩耗形態を推定します
  • 仕様の絞り込み:摩耗形態に対して有効な材質・熱処理・表面処理を2〜3案に絞ります
  • サンプル製作:公差・面粗さ・段取りをそろえた比較品を製作します
  • 実機投入と測定:同じ設備・同じ期間で稼働させ、摩耗量を実測して比較します

比較の対象になる仕様の組み合わせ

【ポイント】 変えられる要素は、材質・熱処理・表面処理の3つです。

平野鉄工はこの3要素の組み合わせで部品を長寿命化することを事業の軸に据えています。どこを動かすかは、摩耗形態と要求される靭性によって決まります。

材質を変える

母材そのものを変えると、部品全体の強度と靭性が変わります。

一般的な機械構造用炭素鋼のS45Cから、焼入れ性の高いSCM435などのクロムモリブデン鋼に変えれば、硬化層を深く安定して入れられます。転がり接触が主体であれば、軸受鋼のSUJ2が候補になります。ただし材質を変えると被削性も変わり、加工費が上がる場合があります。 >>SCM材(クロムモリブデン鋼鋼材)の特徴と加工方法とは?

熱処理を変える

母材はそのままに、表層の硬さと硬化層深さを変える方法です。

高周波焼入れは必要な部位だけを局所的に硬くでき、処理時間も短く済みます。浸炭焼入れは表面を硬く、内部を靭性のある状態に保てるため、衝撃と摩耗の両方がかかる部品に向きます。疲労摩耗が主因の場合、表面硬さより硬化層深さのほうが効くことがあります。 >>浸炭焼入れとは?効果、長寿命化への応用まで徹底解説!

表面処理を変える

母材と熱処理を維持したまま、表層に別の材料を載せる方法です。

硬質クロムめっきは寸法精度を保ちながら硬さを確保でき、摺動部品で広く使われています。溶射は皮膜材料の選択肢が広く、ステンレス溶射から超硬溶射まで、要求に応じて硬さと耐食性を選べます。当社では溶射を村田ボーリング技研株式会社(静岡県)などの協力会社と連携して手配しています。

仕様別の比較の目安

仕様寸法変化靭性への影響向いている摩耗形態コスト感
高周波焼入れ+研磨小(研磨で修正)局所的凝着・アブレシブ
浸炭焼入れ小〜中内部は靭性維持疲労・凝着
硬質クロムめっき極小母材依存アブレシブ
ステンレス溶射中(要仕上げ)母材依存腐食+摩耗中〜高
超硬溶射中(要仕上げ)皮膜は脆いアブレシブ

コスト感は当社での相談実績にもとづく相対的な目安です。部品形状・数量・処理範囲によって順位が変わることがあります。

サンプル比較試験にかかるコストの考え方

【ポイント】 判断すべきは1本あたりの単価ではなく、稼働1年あたりのコストです。

サンプルを複数本作れば、初期費用はその分増えます。この費用をどう社内で説明するかが、実務上の最大の関門になります。

単価が3倍でも、寿命が3倍以上ならトータルコストは下がります

比較の土俵を「部品単価」から「年あたりの費用」に移すことが出発点です。

当社がお客様と検討する際は、部品単価に加えて、交換作業の工数、ライン停止時間、交換頻度を並べて計算します。単価が3倍になっても寿命が3倍以上に延びれば、トータルコストは下がります。加えてライン停止の回数が減れば、その効果は部品費の差を上回ることがあります。ただし、寿命が何倍になるかは実測しない限り分かりません。だからこそ、サンプル比較が投資判断の前段に必要だと弊社は考えています。

ある送風機シャフトでのご相談

実際にいただいたご相談を、内容を伏せたうえでご紹介します。

軸受との接触面が想定より早く偏摩耗してしまう送風機シャフトについて、耐摩耗性を上げたいというご依頼でした。当社では熱処理で対応する案と、溶射で対応する案を複数ご提示しています。同じ「耐摩耗性向上」でも、寸法変化の大きさ、靭性への影響、費用が仕様ごとに異なるため、どれが最適かは実際に使ってみないと確定できません。この案件でも、まず比較して選ぶという進め方をご提案しました。 >>油圧シリンダーピストンの役割と長寿命化の秘訣とは?

稟議を通すのは、カタログではなく自社ラインの実測値です

社内の投資判断は、メーカーの一般的な性能値では動きません。

「自社の設備で、同じ期間、同じ条件で走らせた結果、摩耗量が何mm違った」という一次データがあれば、説明の説得力はまったく変わります。サンプル比較試験は、その一次データを自社で持つための工程でもあります。

平野鉄工がサンプル製作でお手伝いできること

【ポイント】 当社は材料の選定から加工、熱処理・表面処理の手配までを一つの窓口でお受けしています。

平野鉄工株式会社は1982年の設立以来、愛知県名古屋市港区で金属部品の製造・加工を行ってきました。ローラー・シャフトを中心とした丸物旋盤加工を得意領域としています。

材料選定の段階から逆提案します

いただいた図面をそのまま加工するだけの対応はしていません。

「この材質でこの処理」というご指定をいただいた場合でも、使用環境をうかがったうえで、別の組み合わせのほうが結果的に安く長持ちするのであれば、その案を併せてご提示します。図面どおりに作ることと、部品として長く持たせることは、必ずしも同じではありません。

丸物はφ5mmからφ900mmまで対応します

サンプル品は、量産部品と同じ設備・同じ段取りで製作します。

対応範囲は最小φ5mmから最大φ900mm(協力会社ネットワークの活用時を含む)、長さは2,000mm程度までの実績があります。比較用のサンプルであっても、量産品と同じ公差・同じ面粗さで仕上げます。試作だからと段取りを変えてしまうと、比較の前提が崩れるためです。 >>旋盤加工で作られている丸物部品の特徴

熱処理・表面処理は、手配まで一括で行います

複数の仕様を比べる場合、窓口が分かれると条件をそろえるのが難しくなります。

高周波焼入れ、浸炭焼入れ、硬質クロムめっき、各種溶射について、当社が協力会社への手配と指示までを行います。同じ図面・同じ下地条件で複数の処理を出せるため、比較に必要な「条件をそろえる」ことが成立します。摩耗試験そのものについても、協力会社での実施をご相談いただけます。ただし試験内容によっては対応できない場合もありますので、まずはご相談ください。 >>ギヤシャフト 耐摩耗・長寿命化提案

まずは1本、試してみませんか

ここまでお読みいただいた方の多くは、仕様を上げたい気持ちと、失敗できないという慎重さの間で判断を保留されているのではないかと思います。サンプル比較試験は、その保留を小さなコストで解く方法です。

図面と、現在の使用条件をお送りください

ご相談の際にいただけると精度が上がる情報は、次の4点です。

  • 図面(材質・寸法・公差・仕上げ面粗さ)
  • 現在の仕様(熱処理・表面処理の有無)
  • 交換周期(何年・何ヶ月で交換しているか)
  • 摩耗した現物または写真(摩耗面の状態から形態を推定します)

摩耗した現物をお見せいただけると、摩耗形態の推定精度が上がります。写真だけでも判断できる場合があります。

ご相談から納品までの流れ

図面と使用条件をお送りいただいた後、比較する仕様案と概算のお見積りをご提示します。仕様が決まればサンプル品を製作し、納品後はお客様の設備で実際に稼働させて比較していただきます。結果を踏まえて量産仕様を確定する、という流れです。

ローラー・シャフトの摩耗でお困りの際は、平野鉄工へご相談ください。

よくある質問

Q. 摩耗試験にJIS規格はありますか?

A. JIS H 8503が電気めっきの耐摩耗性試験方法を規定しています。溶射や焼入れ層は対象外です。

Q. 硬度が高い材料を選べば、摩耗は防げますか?

A. 限りません。硬さを上げると靭性が下がるため、衝撃がかかる部品では割れや剥離が起きます。

Q. サンプルは何本くらい作ればよいですか?

A. 現行品を含めて3仕様なら3本が基本です。確信を持ちたい場合は各仕様2本ずつをおすすめします。

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